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犬 前立腺腫瘍

前立腺腫瘍は、犬の前立腺に発生する腫瘍性疾患で、高齢の未去勢犬に多く見られます。
腫瘍のほとんどは悪性であり、特に前立腺癌が一般的です。
進行が速く、近隣組織への浸潤や遠隔転移が起こりやすいため、早期の診断と治療が重要です。

 

 

犬の前立腺腫瘍の症状

前立腺腫瘍の症状は進行に伴って現れます。主な症状には以下のようなものがあります:

 

排尿困難

尿が出にくい、頻尿、血尿など。

排便困難

腫瘍が直腸を圧迫し、便が細くなる、排便がしにくい。

歩行異常

後肢の麻痺や歩行困難が現れることがあります(腫瘍が神経を圧迫するため)。

血尿

尿に血が混じることがよく見られます。

元気消失や食欲不振

病気の進行による全身状態の悪化。

体重減少

慢性的な病気により体重が減少します。

腹部の膨満

腫瘍の増大や腹水の蓄積によるもの。

 

 

犬の前立腺腫瘍の原因

犬の前立腺腫瘍の正確な原因は不明ですが、以下の因子が関与していると考えられています:

ホルモンバランスの影響

未去勢犬では、テストステロン(男性ホルモン)の影響で前立腺の異常が起こりやすいとされています。

高齢

前立腺腫瘍は主に7歳以上の高齢犬に見られます。

遺伝的要因

一部の犬種(ゴールデン・レトリバー、シェパードなど)はリスクが高いとされています。

 

 

犬の前立腺腫瘍の診断

前立腺腫瘍の診断には以下の方法が用いられます:

直腸検査
  • 獣医師が直腸から前立腺を触診し、腫大や硬さ、形状の異常を確認します。
画像診断
  • 超音波検査:前立腺の大きさ、形、腫瘍の有無を確認します。
  • X線検査:腫瘍の広がりや骨への転移を確認します。
  • CTスキャンやMRI:腫瘍の詳細な位置や浸潤の程度を評価します。
尿検査
  • 血尿や細菌感染の有無を調べます。尿中に異常細胞が含まれることがあります。
細胞診または生検
  • 前立腺から採取した細胞や組織を顕微鏡で調べ、腫瘍の種類や悪性度を判別します。
血液検査
  • 全身の健康状態を評価し、炎症や臓器機能の異常を確認します。

 

 

前立腺腫瘍の治療

前立腺腫瘍の治療は、腫瘍の進行度や犬の全身状態に応じて選択されます。悪性腫瘍の場合、完全な治癒は難しいことが多いですが、症状の緩和や生活の質(QOL)の向上を目指します。

@ 外科治療
前立腺切除術

腫瘍を完全に切除する方法。ただし、前立腺腫瘍は周囲の組織に浸潤することが多く、完全切除が困難な場合が多いです。
手術には高いリスクが伴うため、慎重に判断されます。

A 放射線療法

局所の腫瘍を縮小させ、症状を緩和するために行われます。
腫瘍の進行を抑える効果が期待できますが、正常組織への影響を最小限に抑える必要があります。

B 化学療法

抗がん剤を用いて腫瘍の進行を遅らせます。
一部の前立腺腫瘍に有効とされていますが、副作用のリスクがあります。

C 痛みの管理

鎮痛剤や抗炎症薬を使用して、腫瘍が引き起こす痛みや不快感を緩和します。

D 緩和ケア

症状の管理を主とし、生活の質を維持する治療法。排尿困難を改善するためのカテーテル設置や、栄養サポートが含まれます。

 

 

Q&Aから学ぶ

犬の前立腺腫瘍の症状は?

腫瘍による物理的な圧迫があるため、しぶり、排便困難、排尿困難、疼痛などがおこります。
また、骨転移による歩行異常や体重減少などの症状もみられます。
前立腺の肥大に伴って、尿路が塞がれてしまう尿路閉塞を伴うこともあります。

犬の前立腺炎の初期症状は?

前立腺炎は以下のような症状も存在します。

  • 血尿:ピンク色、通常の尿に一部血が混じる場合もある
  • 膿尿:更に悪化した場合は、膿のような尿成分が混じる
  • 有痛性排尿:排尿するまでに時間がかかる、排尿時に鳴く
  • 排便困難:排便姿勢を取りづらいために便秘になる
犬の腫瘍が良性の場合の特徴は?

一般的に腫瘍が良性の場合、皮膚を壊すことなくしこりが大きくなる傾向があり、脱毛や皮膚が赤くなることは少ないです。
また、犬のしこりが急に大きくならないのも特徴です。 腫瘍が悪性の場合、良性とは反対で、皮膚を壊してしこりが大きくなります。
そのため、毛が抜け、皮膚が赤くなります。

犬の前立腺膿瘍の治療法は?

まず 去勢手術を行い、その後抗菌剤による内科的治療を行います 。 また、超音波ガイド下で膿を吸引します。
それでも症状が改善しない場合、あるいは膿瘍がすでに破裂している場合は、外科手術で治療を行います。
外科手術では、前立腺の内部を洗浄し、必要に応じて部分的に切除し、大網という膜で包む大網ドレナージを行います。

犬が前立腺肥大になるのは何歳くらいからですか?

オスの生殖器の病気で最も多く、また命取りになる可能性が高いのは、前立腺肥大という病気です。 これは去勢をしていない高齢犬(通常8〜10歳以上)によく起こる病気です。

 

 

犬の前立腺腫瘍の予後

前立腺腫瘍の予後は悪性度の高さや転移の有無によって異なります:

 

前立腺癌
  • 非常に悪性度が高く、転移(骨、肺、リンパ節など)が多いため、予後は一般的に不良です。
  • 平均生存期間は数ヶ月程度とされますが、早期治療や緩和ケアにより延命が可能です。
良性腫瘍
  • 発生頻度は低いですが、手術によって完全に治癒する場合があります。

 

 

犬の前立腺腫瘍の予防方法

前立腺腫瘍の発生に対する明確な予防方法は存在しません。
血尿など異常がみられたら、早めに動物病院に連れて行きましょう。

 

 

 前立腺腫瘍を完全に予防する方法はありませんが、以下の点を心がけることでリスクを軽減できます:

去勢手術
  • 若いうちに去勢手術を行うことで、ホルモン依存性の前立腺疾患のリスクが軽減されます。
定期的な健康診断
  • 高齢犬では、前立腺を含む全身の健康状態を定期的にチェックすることが重要です。
異常の早期発見
  • 排尿や排便に異常が見られた場合は、早めに獣医師に相談してください。

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